私立中高一貫校

グローバル教育が奏功し
63名が海外大学に合格!

八雲学園中学校高等学校

次世代のグローバルリーダー育成を掲げる八雲学園中学校高等学校。海外大学の合格者数は年々上昇しており、今年はQS世界大学ランキング100位以内の大学合格者55名を含め、63名が合格し、グローバルリーダー候補生を着実に輩出し続けている。英語とグローバル教育を統括する近藤隆平副校長に、教育の特色について聞いた。

副校長 近藤 隆平 先生

中3のアメリカ研修を目標に英語で表現する力を養う

八雲学園は「グローバル教育」「進路指導」「文化体験」「チューター制度」の4つを教育の柱としており、女子校時代から英語を使って国際的に活躍する人材の育成に力を入れてきた伝統がある。それだけにグローバル教育プログラムも磨き込まれたものが多い。

中学段階での英語教育でいえば、まず中1の6月、入学早々に一定量の英文を暗唱して人前で発表する「レシテーションコンテスト」が行われる。

「イントネーションやアクセントの変化・強調など、日本語での発表にはない表現を工夫し、拍手をもらうことで、英語で表現することが楽しいと思えるきっかけづくりにしています」と近藤副校長は話す。ネイティブの授業などで練習を繰り返しながら、英語の世界を体感していくわけだ。さらに12月には英語祭があり、中1は全員で物語の最初から最後まで読む朗読劇、中2は衣装や小道具も使った英語劇を上演する。中3は文化祭で英語劇を上演し、英語祭ではクラス単位でプレゼンテーションを実施する。

ちなみに英語の授業は、中学の間は週に4時間ネイティブの授業があり、日本人教員の授業と合わせて中1は8時間、中2・3は9時間と、英語の授業時間数はかなり多い。英語は単語単位ではなく、単語の集まり(チャンク)単位で意味が伝わる場合が多いため、毎日数個のチャンクを覚える小テストも3年間続けている。

「中3の2月に全員で『アメリカ研修』に参加することになっており、英語の授業やイベントは、すべてそのための準備と位置づけています。生徒にもそう伝えており、みんなそれを目標に取り組んでいます」(近藤副校長)

中3で全員が「アメリカ研修」を実施

「アメリカ研修」は28年続く伝統的なプログラムで、代理店等を通さず、すべて自前で交渉して運営している点に最大の特長がある。八雲学園の現地施設「八雲レジデンス」に2週間滞在し、カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)で、1クラス10名程度の習熟度別に分かれて英語の授業を受けたり、姉妹校ケイトスクール(中3〜高3までの4年制の学校)や地元小学校を訪問して生徒や児童と交流したりするほか、レストランでのテーブルマナー研修など海外の文化に触れる体験も組み込まれている。

「八雲レジデンス」を拠点に実施されるアメリカ海外研修は、本物の英語や文化に触れる最大の機会

こうして海外志向が高まった生徒に対しては、高1での「9カ月プログラム」が用意される。UCSBで英語を学ぶ3カ月留学と、各3カ月の事前学習と事後学習を組み合わせたもので、日本での3カ月間の授業の遅れを取り戻すフォローも手厚く行っている。

「引率教員が現地に滞在し、生活面・学習面を支援するため、急病対応などの点で保護者にとって安心感のあるプログラムだと思います」(近藤副校長)

また、同校は世界約300校・約50カ国が加盟する国際私立学校連盟(ラウンドスクエア)の加盟校になっている。そのため、海外の加盟校からの交換留学生が短期あるいは長期に渡って在籍していたり、各国から加盟校の生徒たちが海外経験のために訪問したりするなど、日常的な国際交流の機会が極めて多い。こうした環境が、帰国生ではない生徒のグローバル意識を高め、英語学習へのモチベーションを高めて、結果として海外大学に進学していく進路決定を支えているのだろう。

姉妹校ケイトスクールを訪問

グローバル人材に必要な自国文化への理解

八雲学園の生徒たちは、英語を「学ぶ」の先にある、「英語で表現することを楽しむ」というレベルまで英語の力を伸ばしていく。しかし、グローバル人材に求められているのは英語力だけではない。互いの文化を尊重し、協働していくためには、まずは自国の文化に対する理解と尊重をベースにしなければならないからだ。

「実際、国際交流の現場では、『あなたの国について教えて』と問われる場面が多く、自分が何者であるかを語れない人は、世界では通用しません」(近藤副校長)

そのため八雲学園では、日本文化を深く学ぶことを教育の4本柱の1つに掲げているわけだ。具体的には、中学3年間は年10回程度「文化体験の日」を設け、日本文化に接する体験を積む。日本文化といっても、古典芸能や伝統産業ばかりではなく、現代日本の文化や先端産業も対象だ。博物館を訪問することもあれば、クラシック音楽を聞いたり、ミュージカル作品や宝塚を観劇したり、映画を鑑賞したり…。食品工場やJAXAを見学することもある。

高校進学後も文化体験の機会は続き、6年間で50回を超す経験ができる。こうして身についた自国文化に対する素養は、将来グローバルに活躍するときになって、豊富な話題で互いを尊重し合う交流へと発展させていくことになる。

チューター制度を完備し進路指導に活用

残り2つの柱は「進路指導」と「チューター制度」だが、この2つは密接に関係している。

まず「進路指導」だが、生徒の希望を最大限に実現することが大前提になっている。中高6年間を2年間ずつ3つのステージに分け、それぞれ「学習習慣確立〜基礎力の充実」「発展的学習〜応用力養成」「実戦力養成〜志望進路実現」との目標を定め、必要な指導を行っている。とりわけ中学では、タブレットを使った学習記録からはじまり、朝テストの再試や定期テストの補講など手厚くサポートする。

その際に効果的なのが中学校で導入されている「チューター制」だ。入学すると、担任とは別に生徒一人ひとりにチューターと呼ばれる教員が1人ずつ配置される。チューターは、学習アドバイザー的な機能を持っており、試験前に勉強の計画表を作らせたり、目標点を書かせて面談を行ったり、試験結果が出れば次の学習につながるアドバイスをしたりするのが主な役割だ。

「ただし、中学生の場合は、まだ生活面の不安や友だち関係での悩みを抱えていたりする場合もありますから、そういう場合の相談役も担います。私も現在6人くらいの生徒を担当していますが、担任には話せないこともありますし、『あなたの味方』となってくれる先生が担任以外にいることは、生徒の安心材料の一つになっていると思います」(近藤副校長)

担任以外の教員が生徒一人ひとりに寄り添って学習面を中心に、日常生活や不安などの相談役もなる「チューター制度」

進路が明確になってくれば、あとは生徒自身がその実現に向けて努力していくことになる。そのため、高校からは土曜日に大学受験に向けた特別カリキュラムを組んでいるほか、夏・冬・春の長期休暇中に講習を行っているのはもちろん、環境を変えて集中的に勉強するサマーキャンプなども行って学力を伸ばす仕組みを整えている。

このような4本柱を中心にした教育により、生徒の学力はもちろん、グローバル意識は大きく伸びていく。学校として海外大学進学をプッシュしているわけではないが、様々な教育プログラムで得た経験から多くの生徒が海外大学を意識するようになり、大学世界ランキングで東大を上回るような大学へと進学していく生徒が出てくるのが八雲学園なのだ。

「中学受験時の偏差値からは考えられない成長ぶりを見せる生徒もいます。だからこそ、中高6年間は人生でもっとも重要な時期だといえるわけです。ぜひ、自分の目でしっかり学校を見て、進学する学校を決めていただきたいと思います」(近藤副校長)