
海外での活動を通して「何ができるか」を考える
普連土学園中学校・高等学校では、キリスト教フレンド派の信仰の核心である「自由」「平等」「対話」「平和主義」という普遍的な価値観を生かした学びを実施している。特に海外研修プログラムには、同校の教育に対する考え方が色濃く反映されている。自分の知らなかった新たな出会いを体験することで、自らの世界を少しずつ広げてゆくことこそ、キリスト教学校ならではの学びの本質と考えるからだ。
「ジョージ・フォックス・ツアー」(英国研修旅行)では、フレンド派が誕生したイギリス湖水地方を起点に、フレンド派の教会や施設を巡り、建学の理念や教育方針の根底にある精神を学ぶ。高校生の希望者を対象に、夏休み中の10日間にわたって実施されており、英国の文化に触れながら現地の人々と交流する。
また、アメリカの東海岸を訪れる「セルフディベロップメント・プログラム」では、全米屈指のリベラルアーツカレッジに滞在し、現地の学生や他校の生徒と交流する。
同校の価値観が特に表れているプログラムが、カンボジアで地雷撤去活動の視察を行う「カンボジア アキ・ラー プロジェクト」だ。1週間カンボジアに滞在し、地雷撤去を主導するアキ・ラー氏との連携の下、撤去作業の見学や体験を行う。青木直人校長は、「途上国の実情や、被害者の状況を学びながら、世界のために何ができるかを考え、行動につなげることが狙いです」と説明する。

2025年度からは、「ニュージーランドターム留学」や、中3生を対象とした「カナダ研修」も導入。さらに、アメリカ・インディアナ州にあるフレンド派のアーラム大学を訪問する短期研修の実施も検討されており、海外研修プログラムはますます充実していく見込みだ。
各大学の強みを生かした高大大連携プログラム
同校では、高大連携にも力を入れている。
津田塾大学と連携し、同大学が得意とする英語教育を中心とした教育プログラムを行っているほか、東京理科大学との連携プログラムも着実に成果を上げている。同校では、高1の終わりまでの4年間に、理科実験に約140回も取り組んでいることもあり、卒業生の4割近くが理系に進学する。「理科大の教員志望の学生をチューターとして受け入れることは、大学生・中高生の双方にとって得るものが大きいと考えています」と青木校長は語る。
東京女子大学とも連携し、高3の探究活動に「女性学」を導入するなどの交流が続いている。2026年度からは、新たに芝浦工業大学とも高大連携協定を締結。普連土学園は理系選択者のなかでも工学系の志望者が多いため、同大学の強みを生かした交流が期待されている。
「多くの生徒に刺激を与え、視野の拡張につながるようなプログラム作りを今後も続けたい」と話す青木校長。質の高いプログラムを通して、生徒一人ひとりが深い知的探究に取り組める教育環境を築いていくという。
