私立中高一貫校

「R-プログラム」を通して
思考力・表現力を磨き
次世代のリーダーを育成

立正大学付属 立正中学校・高等学校

日蓮宗の教えに基づく「行学二道」を建学の精神に掲げる立正大学付属中学校・高等学校。学んだ知識や技能を生かして、社会に貢献する行動ができる人材、ひいては仲間に慕われるリーダーの育成をめざしている。そのための具体的な教育システムが「R-プログラム」として結実している。その狙いと内容について大場一人校長に話を聞いた。

校長 大場 一人 先生

国語力をベースにした「R-プログラム」を展開

立正大学付属中学校・高等学校が「R-プログラム」を開発するにあたって重視したのは、国語力だ。

「国語力は、あらゆる学問の根幹だと思います。国語力は考える力そのものであり、自分でものごとを考える力を身につけることこそ、AI時代に求められる能力だと信じているからです」と大場一人校長は強調する。

国語力は様々に定義できるが、同校では「Research(調べる)」「Read(読み取る)」「Report(表現する)」の3つのスキルに集約し、それをプログラム名に冠した。それぞれのスキルが6年間で無理なく身につくように工夫されたプログラムは、大きく3つのパートに分かれている。

第1のパートは、中学3年間を通して行われる「リーディングマラソン&読書ノート」だ。国語力の基本は文章を読むことにあり、読書習慣を定着させる目的で実施されている。中学に入学すると、「読書ノート」が配布され、図書館から本を借りて読むたびに、読んだページ数をそのノートに記入していくことになっている。ページ数だけでなく、読後の感想を記入する欄もあり、読んで考える、考えながら読むというトレーニングも期待できる。

また、1年間を4期に分け、個人とクラス対抗で読書量を競う「リーディングマラソン」も開催し、読書を促す。

「この取り組みで、本を手に取ること、文章を読むことへの抵抗が薄らぎ、自主的に本を読むようになってくれることを期待していますし、事実そういう生徒が増えています」(大場校長)

読書の動機づけとして『リーディングマラソン』を開催。1年間を4期に分け、個人とクラス対抗で読書量を競う

思考力と表現力を総合的・体系的に鍛える

第2のパートは、「R-プログラム」の中核をなす「思考力&表現力向上プログラム」で、中1〜高1にかけて体系的に実施されている。テーマのある文章を読む「コラムリーディング」、その内容を自分の言葉で要約したり、図示したりしてまとめる「文章化」、さらにその内容をわかりやすく他人に伝える「発表」の3つの部分で構成され、文章を読んで要約し、自分の意見も踏まえてプレゼンテーションを行うという、社会で求められる一連の能力を総合的に鍛える内容になっている。

「『R-プログラム』の導入で、国語だけでなく、ほかの教科で課されるレポートにおいても、しっかりと構成された文章を書けるようになってきました。大学入試の記述式の問題にも十分に対応できる文章力が身についていると確信しています」(大場校長)

第3のパートは「キャリアデザインプログラム(進路学習)」だ。本やコラムを読み、自分で考え、表現する力を養うのと平行して、客観的に思考する能力を自分にも向け、将来を考えることにも応用しようというわけだ。

中学では「職業講話」や「職業理解」「職場体験」などを通して職業観を育み、高校ではその経験をもとに学部選びや大学選びへとつなげ、自分の将来像を明確にしていくことになる。

「生徒には得意なもの、好きなものを見つけ、それを伸ばすことで自分に自信をつけてもらいたいと思います。その過程で人間的に成長し、仲間を惹き寄せるリーダーの資質の基礎を育んでほしいと考えています」(大場校長)

中3では、キャリア教育の一環として、企業や学校、病院などで3日間のインターンシップ(職場体験)に参加